とつか町だより

アクセスカウンタ

zoom RSS この数ヶ月で読んだ本

<<   作成日時 : 2007/01/25 18:54   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

内田春菊「犬のほうが嫉妬深い」
作家本人を思わせる語り手の、離婚をめぐるドロドロを執拗に描く。引き込まれて読んだが、これがエッセイなら途中で厭になるのではないか。あくまでも小説だから読めるのだ、と思う。

上原善広「被差別の食卓」
自らも被差別部落出身の著者が、世界各地の被差別民の食事を食べに行く。フライドチキンが黒人の食べ物だったことは初めて知った。ロマ(ジプシー)のハリネズミ料理も興味深い。また、インドで牛の死体処理を専門にする最下層カーストについて述べた章では、被差別民がいかにして生まれるかについて考えさせられる。

阿部輝夫「セックスレスの精神医学」
著者は「セックスレス」という言葉を作った人。実例が豊富で大変おもしろいです。治療方法の紹介なども非常に具体的。セックスレスに縁がなくても読む価値あり。

友岡賛「会計の時代だ」
この著者は、句読点の打ち方や改行の位置、外来語のカタカナ表記などに独自のこだわりを持っているようで、文章を読んでいて非常に鼻につく。また、他人の著作物からの引用箇所で、誤字脱字ならともかく、単なる漢字表記の揺れ(「見る」と「みる」)がある部分に「原文のまま」を示す「ママ」のルビが振られており、非常に不愉快に感じた。読者不在の単なる自己満足である。自分のルールを少しでも外れていることが我慢できないという、一種の心の病なのではないかとも思った。会計と会計士の歴史というテーマは興味深いのだが、内容はほとんど頭に入らなかった。

別冊太陽編集部「鉄道に魅せられた旅人 宮脇俊三」
宮脇ファン必携の一冊。写真が豊富なのも嬉しい。宮脇先生の単行本には基本的に写真はなく、写真がなくとも文章で風景を感じさせるのが先生の偉大さではあるのだが、全くないというのも寂しいもので、このムックはその辺を補完してくれる。

磯田光一「永井荷風」
近所を散歩中にふと立ち寄った古本屋で購入。非常に本格的な評論。一字一句をゆるがせにしないというか。このぐらい読み込めないと文藝評論家にはなれないのだとしたら大変だと思う。

松本哉「永井荷風という生き方」
荷風の生涯を、どちらかというとゴシップ中心に楽しく紹介した本。荷風初心者向けかなとは思うけど、本格的な評論ではあまり出てこない話もいろいろあるのでこういうのも良いかなと。

河合香織「セックスボランティア」
タイトルはセンセーショナルだが内容は非常に真面目。障害者の日常生活の介助と違って、性の介助というのは非常に難しいということが分かる。オランダには半公的な制度があるということで著者は取材に行っているが、結論としては(大雑把に言ってしまえば)必ずしもうまく行っているわけではないようだ。性というのが単なる肉体的な欲求ではないという、言わば当たり前のことの再確認になってしまうけれども。
著者が若い女性ということで、自分自身が「性のボランティア」をできるかどうかという、取材相手や読者からの問いかけにも答えないといけないと考えたのか、最後に少しだけ「自分語り」の部分がある。これを入れるか入れないかは著者も悩んだのではないかと思うが、ぼくはこの部分は要らなかったのではないかと思う(解説ではここを誉めているが)。あくまでも第三者の視点に徹し、読者に判断を任せる方がこの本のスタイルには合っている。本格的に「セックスボランティア」を体験して内側から語るというスタイル(テーマは少し違うが中村うさぎ「私という病」のように)もあるが、そういう行き方を取らなかったわけだから。

大山眞人「昭和大相撲騒動記」
ぼくは小さい頃から大相撲が好きで、父親が買ってきた歴代横綱大関その他花形力士の写真や評伝や星取表をたくさん載せたムックみたいなグラフ誌をよく読んでいたので、春秋園事件についても一通りの知識はあった。戦前に起きた相撲協会大分裂事件である。この本ではこの事件の詳細がいろいろ分かって興味深く、特に首謀者の天竜三郎の企画力・行動力は凄いなと思った。天竜一派の要求もいずれも正鵠を射たものばかりだ。ただ、マゲを切り落とした力士たちの写真を見て感じるのは、やはり相撲は(当時において既に)単なるスポーツではなく、伝統藝能の要素を兼ね備えた娯楽であったということ。天竜の誤算はその辺にあったのだろう。
この本、天竜のシコ名を「天龍」とするという大きな誤りがあり(固有名詞、特にシコ名では字体の違いは重要)、その他細かい点でもいろいろ間違いがあるらしい。著者は貴乃花の改革試案に理解を示しているようだが、果たして大相撲の現状を正しく理解してのものなのかどうかやや疑問が残る。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
この数ヶ月で読んだ本 とつか町だより/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる