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zoom RSS 辻井喬・上野千鶴子「ポスト消費社会のゆくえ」

<<   作成日時 : 2008/08/10 15:21   >>

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対談形式なので読みやすいというのもあるけど、面白かったです。
辻井喬(堤清二)ってユニークな人だなあ。日本の企業経営者の中に、こういうタイプの人がもう何人かいてもいいのにな、と思います。
あと、昔読んであまり理解できなかった北田暁大「嗤う日本の「ナショナリズム」」を、上野千鶴子がごく簡単に要約してくれていたのでやっと概略がつかめました。それと上野千鶴子の「40代の男性知識人は危ない」という警告にも、ある意味うなずけました。いちばん面白かったのは、ユートピア思想についてのこの辺の議論。
上野 ユートピア思想がなくてもかまわないという思想は別にありますが。シニシズムをそのままスタイルにしてしまうと、これは一時期、宮台真司さんが主張した“まったり革命”になります。“公共性も理想主義も何もなくていいんだ。ユートピアなんかいらない。あるほうが危険だよ”という考えです。ただその後、宮台真司さんは転向して、いまや天皇主義者になっておられます(笑)。なぜかというと、彼もやっぱり公共性や理想なしでは社会はもたないと。しかもそれをもっと悪い、困った求心力にもっていかれる危険性がある。それに比べれば、それよりも毒の弱い選択肢を積極的にあえて提供する方がベターだ、という考えです。
辻井 天皇制のほうが、毒が弱いと……?
上野 はい、だから天皇制のほうが“レス・ワース(less worse より悪くならない)だ”と。だから一時期の中上健次さんとか、晩年の廣松渉さんとかは本卦帰りですよ。次の世代の言論人である宮台真司さんや浅田彰さんも脱近代主義者から近代主義者へと転向しました。
辻井 なるほど。私は廣松渉さんという人に、多少感心して彼の本を読んだりしてますが、晩年はそうですか。
上野 廣松渉さんは晩年になって「アジア主義」と言い出しまして、周囲から狂ったのかと言われました。廣松渉さんの弟子が宮台真司さんです。彼にとっては廣松さんはお師匠さんです。
辻井 そうか、脱近代主義者が先祖帰りか。
上野 共同性とか公共的な価値抜きでは、社会はもたない。ベターな選択ではないが、レス・ワースな選択をとるべきだと。彼らはより悪の少ない選択肢を示すことが、エリートの役割だと自認しています。誰もそんな役廻りを彼らに任命してませんが(笑)。
辻井 ああ、引っかかった感じするなあ。
上野 はい、おっしゃるとおりです。
辻井 さあ、そうなると、こっちものんびりしてられない。そういう傾向に対して、いや、そうじゃないんだということをはっきり言わないといけないですね。
(289〜291ページ)
上野が自説を展開して辻井が聞き役という展開。本来は上野が聞き役の対談なんだろうけど。

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